末広店コラム 2026.01.23
プラチナは世界的に希少性が高く、工業用途からジュエリーまで幅広く使われる貴金属です。2025~2026年にかけて、プラチナ価格は大きく上昇傾向にあり、歴史的な高値水準に達しています。2026年1月時点では国内地金価格で1gあたり約14,000円台前後と、過去から見ても高い水準で推移しています。
プラチナ相場が上昇している主な背景には、需給のタイトさが挙げられます。世界最大の生産国である南アフリカでは電力問題や労働問題、新規投資不足などによって供給が伸び悩んでおり、さらにリサイクル供給も低調であることから、需給がひっ迫しています。
また、金価格が高値圏にある中で、投資家やジュエリー市場がコストの低い選択肢としてプラチナに注目する動きも見られます。
プラチナはかつて「金より高い貴金属」として知られていましたが、2010年代以降は状況が一変しました。自動車需要の減速や供給環境の変化により価格は低迷し、長い期間にわたって1gあたり4,000円〜6,000円前後で推移していた時期が続きました。この価格帯は約10年近く続き、市場では「割安な貴金属」と見られることも少なくありませんでした。
一方で金は同時期に価格を大きく伸ばし、両者の価格差は拡大。かつて逆転していた関係は完全に入れ替わりました。しかし近年、プラチナを取り巻く環境は大きく変化しています。主要産出国での供給不安、産業用途の回復、投資資金の流入が重なり、価格は段階的に上昇。現在では過去の水準を大きく超え、歴史的な最高値を更新する局面となっています。
長期間続いた低価格帯を抜け、本格的な上昇局面に入った今、過去の相場と比較するとその変化は非常に大きく、現在の水準は売却を検討するうえで非常に注目度の高いタイミングだと言えるでしょう。
今後の相場についてはさまざまな見方がありますが、需給のひっ迫が続く限り価格の下支え要因となる可能性があります。特に、自動車触媒やハイブリッド車、さらには水素社会に向けた工業用途での需要が持続すれば、中長期での需要基盤は強いと考えられます。供給側の改善が進まない場合、価格の上昇余地は依然として残るとの見方も多く、アナリストによっては2026年も堅調推移を予想する声も出ています。
とはいえ、技術進化による代替素材の採用や世界経済の先行きによっては需給バランスが変わる可能性もあります。プラチナは産業用途の影響を受けやすい金属であるため、長期的な価格予想は市場動向の変化にも注意が必要です。
末広店